坂上田村麻呂公ご尊像
坂上田村麻呂公ご尊像  (東京・矢先稲荷神社ご提供)

ご祭神・由緒

田村神社は
征夷大将軍・坂上田村麻呂公を主祭神として、
嵯峨天皇並びに倭姫命(やまとひめのみこと)をお祀りしております。




坂上田村麻呂公

田村神社のご祭神「坂上田村麻呂公」は、平安初期の武人で、天性の才能に優れ、兵を用いるに神の如くであったと伝えられ、 恒武天皇・平城天皇・嵯峨天皇の三代に仕え、 その忠勲と蝦夷征伐等のご功績は後世まで高く顕彰され、有史以来およそ匹敵するものはありません。 征夷大将軍に任ぜられたことは、あまりにも有名です。




由緒

田村神社は近江国(滋賀県)と伊勢国(三重県)の国境にあり、古来には都より伊勢へと参宮する交通の要衝でした。 当社の言い伝えによると、「鈴鹿峠に悪鬼が出没して旅人を悩ましており、嵯峨天皇は坂上田村麻呂公に勅命を出してこれを平定させた」とあります。 それゆえに、交通の障害を取り除いて土地を安定させた坂上田村麻呂公の御遺徳を仰ぎ、弘仁3(812)年の正月、 嵯峨天皇は勅令を出して坂上田村麻呂公をこの土山の地に祀られることとなりました。




御神徳

坂上田村麻呂公が鈴鹿峠の悪鬼を平定してよりのち、作物が実らず疫病が流行しました。 そのため、弘仁3年の正月に嵯峨天皇は詔を出し、坂上田村麻呂公の霊験を以て厄除の大祈祷が斎行されました。 これにより、坂上田村麻呂公は厄除の大神として崇敬され、その御神徳は厄除の祖神として崇敬されることとなりました。 また坂上田村麻呂公は、鈴鹿峠の悪鬼を討伐して交通の安全を保たれたことに加え、延暦年間には東北に出征され、これを平定されました。 その御神威により、交通安全の神様としても崇敬されています。


 
 
 


田村万人講社

田村万人講社は明治時代の初めに当時の田村徳充宮司が、ほぼ1年をかけて滋賀県と三重県をくまなく歩き、 田村神社の厄除け信仰を説き広めたことを起源として、明治15年9月に「厄除田村万人講社」として発足しました。発足後も各地で厄除信仰が広まり、 徐々に講員数が増えていきました。
大正7年には、講員数の増加や社会情勢の変化などから講社規則が改正され、新たに「田村神社附属田村講社」として再発足しました。
当時の講員には、「講員章」と「門標」が配布され、神社祭礼日に参拝すると神酒と撤饌が授与されていたようです。
昭和54年11月17日には世話方の会議が行われ、「田村万人講社規則」が制定されました。 それにより、万人講社長・支部長などの役職が新たに設置され、この年以降、11月18日に「講社大祭」が斎行され、 これまでは11月23日の新嘗祭に合わせて行われていた世話方大会・表彰式がこの日に行われることとなりました。
昭和60年には、その年の4年前に始まった万灯祭に合わせ「講社大祭」が万灯祭の中日である7月26日に変更されました。 また平成16年からは秋にグラウンドゴルフ大会も行われ現在に至っています。




本殿


田村神社本殿

現在の本殿は平成24年の御鎮座壱千弐百年の記念事業の一環として、平成23年に造替されたものです。
旧本殿は江戸時代中期に焼失した社殿を再建したもので、築後260年余りが経過していたことから老朽化しておりました。
新しく造替された本殿も旧本殿を受け継ぎ、銅板葺き三間社流造の様式を取っています。



厄落し


田村神社

当社古伝によれば、ある夜に田村大神が夢の中に現れ「悪い年に当たっていても、社殿前に流れる御手洗川の東に向かい、節分の豆を自分の年の数だけ祈念を込めて流せば全ての災厄は流れ去る」と言われました。
これにより、節分の豆を自分の年齢の数だけ太鼓橋より境内を流れる御手洗川に落し、厄除を祈念する信仰が広まりました。



矢竹


田村神社

坂上田村麻呂公が鈴鹿峠の悪鬼を平定した際に、「今や悪鬼も平定された。
これより後は、この矢の功徳を以て万民の災いを除くこととする。
この矢の落ちた地に私を祀りなさい」と言って矢を放ちました。

その矢は地面に落ち、そこから青々とした芽が生えてきました。
これが現在、本殿前に生えている矢竹です。

当社では、これを田村大神の御心として、ご祈祷の撤下(おさがり)には竹で奉製した神矢を授与しております。



海道橋


田村神社

昔より西の難所として知られる鈴鹿峠。その鈴鹿峠を降ると見えてくるのが田村川です。
かつては東海道が田村神社の境内を通っており、田村川を渡るために板橋が架かっていました。
江戸時代中期の安政4年に完成し、かの安藤広重の『東海道五十三次』にも描かれたのがこの板橋で『春の雨』の副題で知られています。
しかし、昭和初期に台風で流されてしまい、当時の交通事情もあって再び架けられることはありませんでした。
時は流れて平成に入ると、徐々に再建の気運が高まり、平成17年7月に再建され「海道橋」と命名されました。




開運厄除・交通安全 田村神社

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